けん玉はのせるだけでも奥が深い

さて、現在のけん玉には何か所のせるところがあるでしょうか。
「のせる」と書きましたが、「とどめる」(嬉遊笑覧1830年)や「受け止める」(広辞苑第七版2018年)と記されているものもあります。「のせる」の用例が多いのでここでは「のせる」とします。
多分ほとんどの方は、大皿、小皿、中皿、けん先の4カ所しかのせられないと思われたのではないでしょうか。
実は、実際手に取ってのせてみるとわかるのですが、現在のけん玉はのせ方だけでも少なくとも 29通り はあります。(写真)
「けん」を持った時の「玉」ののせ方 … 17通り



「玉」を持った時の「けん」ののせ方 … 12通り


今年11月に広島県で開催されるけん玉ワールドカップの指定技もすべて、まず「けん」か「玉」のどちらか一方を持つことから技が始まり、この29種類のどれかののせ方によって技が終了する形で技が構成されています。
ここに多様な持ち方や動きが加わることで、数え切れないほどの技が生まれ、その中には驚くほど難しいものもあります。
まとめ
けん玉は「のせる」だけの遊びですが、実際にやってみるととても難しいものです。
それは「動くものを人間の力と技で制御する」遊びであり、古来より狩りの儀式や訓練、賭け事、教育玩具などとして、世界各地で親しまれてきました。
文責 吉田有法 けん玉に関するお問い合わせ yoshida@daichinokai.com