2025.07.18
吉田院長のけん玉BLOG
現存する最古の日本のけん玉?
現存する最古の日本のけん玉?

①骨董商から購入した一本のけん玉

2022年にインターネットを通じて、山形県の骨董商から古いけん玉を購入しました。このけん玉は東北地方の旧家に伝わる御蔵の引き出しの中から、江戸時代の瀬戸物とともに見つかったものだということです。
その形状や見つかった背景から、このけん玉は江戸時代後期のものである可能性が高いと考えられます。

②江戸時代のけん玉について

江戸時代の文献には、すでにけん玉に関する記録が見られます。 当時のけん玉は、現在のものとはやや異なる形状で、柄の長いコップのような器で玉をすくい上げて遊ぶ「木酒器玉」や、一方が尖り、もう一方が猪口のような皿になっているだけのシンプルな構造のものが主流だったようです。


               
拳会角力図会(1809年)       うなゐの友(1902年)
  筆者所蔵              筆者所蔵

    ③古いけん玉がほとんど残っていない理由

    当時けん玉は、竹や木などの自然素材から作られていたため、湿気や虫害による腐食が起きやすく、また子どもたちが夢中になって遊ぶことで、けんと玉がぶつかり合い、破損しボロボロになることも少なくありません。 さらに、玉とけんをつなぐ糸(紐)が切れてしまうと、修理されないまま捨てられてしまうことも多く、古いけん玉が現存している例は極めてまれです。他の玩具と比べても、その数は格段に少ないと感じます。

      ④「最古」と断定するには

      このけん玉を「現存する最古の日本のけん玉」と断定するには、慎重な検証が必要です。 製作年代の推定、地域的な背景、類似玩具との比較など、多面的な分析が求められます。 とはいえ、筆者がこれまでに調べた限りでは、江戸時代のけん玉が現物として現存している例は極めて少なく、個人のコレクションや博物館などの公的機関においても、確認できた資料は今のところ見当たりません。

        今後の調査や比較検討を通じて、けん玉の歴史がさらに深く解き明かされていくことを願っています。
        記事に関するお問い合わせは Email:yoshida@daichinokai.com まで。