
今年度から「けん玉」が得意な院長が、毎月けん玉の楽しさをお届けします。
けん玉の魅力や楽しみ方を知れるかも。一緒に楽しみましょう!
重力がないと楽しくない「けん玉」
宇宙飛行士の秋山豊寛氏や若田光一氏は、それぞれのミッションの中で、無重力下での動きに関する実験の一環として、けん玉を宇宙に持ち込んだ記録があります。
そして2021年12月には、実業家の前澤友作氏がISS(国際宇宙ステーション)に滞在した際、実際にけん玉を宇宙に持参し、無重力の中でけん玉に挑戦。その様子はYouTubeで公開され、大きな話題になりました。
動画の中で前澤氏は、けん玉の基本技である「大皿」に挑戦しますが、玉がふわっと漂ってしまい、皿にうまく乗らない。「のらないね」と苦笑いしながら語る姿がとても印象的でした。
そう、けん玉は「落ちる」からこそ、面白い。


引用:YOUTUBE
初回の今回は、まずそもそも「けん玉ってなんなの?」というところから、ゆる〜くお話していきたいと思います。
2つの物体がひもでつながっていれば、それは「けん玉」
一般的に「けん玉」といえば、木の棒(けん)に、鼓の形をした大皿と小皿がついており、そこに玉をはめ込んだり刺したりして遊ぶおもちゃを想像するのが普通だと思います。でも、ちょっと思い返してみてください。小学生の頃、学校や書籍のふろくで見かけたことがあるかもしれませんが、紙で作られた棒に輪を通すだけの簡単な「けん玉」も、実は「けん玉」と呼ばれます。


筆者所蔵
ちなみに広辞苑では「けん玉」をこう定義しています。「おもちゃの一つ。穴のあいた玉をひもでつり下げて、それをそれぞれの大きさの異なる、胴体3か所へのへこみに載せたり、とがった柄の先に入れたりして遊ぶ。」
確かに、これが一般的な「けん玉」の定義に近いのですが、私個人的には少し違う考え方を持っています。それは、「2つの物体がひもでつながっているもの」こそが、けん玉の本質的な形だということです。
ひもでつながった物体が落ちてくるのを受け止めて遊べばなんでも「けん玉」です。例えば、石と石をひもで結んで遊んだとしても、それをキャッチする動きがあれば、それも一種のけん玉と捉えることができます。
こうして考えると、けん玉は「形」ではなく「関係性」と「運動」の中にこそ本質があり、けん玉という遊びはより自由で、創造的なものなのです。今後のコラムでは、そんな「けん玉の変遷」や「種類別の遊び方」などにも触れてみたいと思います。